2011年11月6日日曜日

罹災、そして今後の人生。


9月21日の事でした。私たちには今後二度と忘れないだろうという事がおきました。

台風15号が関東上空を通過して行こうとする時間帯。

午後4時20分を過ぎた頃、大きな音とともに南側の庭になにかが落下して来たのです。あっ、ベランダが落ちた!と思った私は階に上がりました。

でも目の前にはベランダは存在していました。ぼたぼたとする音に振り向くと畳の上に水滴と呼ぶには大量の水が室内に降り込んでいたのです。

とっさに私は押し入れを開き、押し入れダンスの引き出しの中の物をベッドに投げ、それを雨受けにしたのでした。

しかしそれも足りない状況で至る所から水滴が室内に落ちて行きます。

押し入れの中にも水が落ちているのを見て天袋を開けました。そこで私が見たのは大きな穴の開いた天井から大雨の降る空です。

途方に暮れるとはこの事なのでしょう。れいこせんせいとの連絡は取れたのですがあいにく市内に居り、ここまで帰ってくるのも大変な事。

普段はしないバス車内での電話、でも話の内容の解った乗客は降車の際、れいこせんせいに「がんばってね」と声を掛けてくれたそうです。

多分、わたしがパニックになっているのを察してくれたのか、れいこせんせいはほとんど登録していない近所の連絡先から人を介して写真家とイラストレーターの夫婦に連絡を取ってくれました。日も落ち、暗くなって行く中、まだ雨は強く降っています。そんな状況のわたしひとりの家の玄関が突然開き、頭にヘッドライトを付けた写真家とランタンを下げたイラストレーターの夫婦が飛び込んで来たのを見たときにはほんとに嬉しさが満ちて来たのを今も思い出します。武史、つくしには心から感謝しています。ありがとう。

そして駅にたどり着いたれいこせんせいをランタンとともに送り届けてくれた浅川食堂のマスター、ありがとう。

結果、家屋全壊、家財全損となりましたがその後40日以上を要した片付けに駆けつけてくれた多くの友人に今ふたりは感謝しています。ありがとう。

また、私たちふたりに多くの手を差し伸べて下さった稽古場の皆様、ありがとう。

罹災翌日にはここに住めと、安くしかも手数料無しで世話をして下さり、カーペットやコンロまで頂いた不動産会社すえひろの鈴木さんご夫妻、ありがとう。

着るものが無いのだろう、履くものが無いだろうと届けてくれた青ちゃん、ありがとう。畑の事は私がするからと、私たちの畑の世話をしてくれた酒井さんご夫妻ありがとう。

11月3日に最後の罹災ゴミが無くなりました。今は皆様に感謝する日々です。新たに踏み出そうとするふたりの人生に皆さんの思いが生かされるよう頑張って行きます。今後もよろしくお願いします。

1 件のコメント:

  1. 江頭さま、れいこせんせい、

    長かったですね。本当にお疲れさまでした。
    お二人がいろんなおもいでこのできごとを乗り越えられて来たことを、間近で見させていただきました。お二人は、あらゆるものを前向きに強く柔軟に乗り越えられておりました。ああ、私もそんなふうに生きられたらなあ。

    ここから先は、また新しい道が開けているんでしょうね。
    たのしみにしています。

    まずは、ゆ〜っくり心も身体も休めてくださいね。

    つくし

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